「・・・ごめんなさい」
しかしその一言で勢いよく現実に引き戻されます。
「ちがうの、なんていうかね、私怖いの・・・」
なにか彼女が語りだしたようだがあまり集中できないアカモリ。
「そのね、どのくらい私のこと知ってるのかしらないけど・・・私実は女の子が好きなの。」
知ってます。
彼女はアカモリの顔を伺いながら話を続けます。
「だから、正直アカモリが女の子になったときちょっと気になったの」
じゃあ脈ありなのでしょうか。
「でも元が男の子ってわかるとやっぱり怖くて・・・」
やっぱりダメみたいです。
「だからごめんなさい、ほんとごめんなさい」
「(・・・はぁ何も考えたくないです。)」
「・・・・もしだけどよかったら友達なら・・・」
「(友達かぁ・・・)」
アカモリはただ黙ってシラサキのことを眺めていました。
だが強い大きな声が僕の耳に鳴り響き、その声で電気ショックをうけたように我を取り戻すアカモリ。
「おい待てよ!!」
電気の正体はアオキでした。
「どいうことだよ!シラサキ!お前女なら誰でもいいんじゃないのかよ!!」
「な、なによ!いきなり出てきて!誰でも言いわけないじゃない」
アオキは頭を抱えながらため息をつきます。
「信じらんねぇ、なんでこんな可愛い子を簡単に振るんだよ」
「わ、私だってこんな美人なお姉さまみたいな人と指絡ませて毎日抱き合えたらどんなに幸せかわかったもんじゃないわよ」
突然必死になるシラサキ。
「だったら黙って付き合えばいいじゃないか」
「そんなこと言われても元はアカモリ君だし・・・あっ」
アカモリはその言葉にぴくっと反応しました。
それはおそらく彼女の本音なのでしょう。
だがそれがアカモリにとっては心に針で刺されたように痛いのでした。
「・・・ならしかたねぇ」
アオキは僕の顔をじろっとみました。
その目はどこかどす黒く怖いオーラを含んでいました。
「アオキ君?どうした?」
アカモリの言葉に耳を傾けることなく近づいてきます。
まるで聞いていません。
アオキが近づくとアカモリ両肩を掴み始めました。
そしてそのままアカモリを押し倒します。