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狐に化かされて おまけ

狐の昔の話である。彼が夢の中で見ていたように白狐は罠に捕まりもが
いていた。それを一人の若者に助けられた。狐はそれをうれしく思い、恩
返しをしようと何度も神社に行って自分の好物の油揚げを供えては人間
になれるようにお祈りした。
あまりにも熱心なキツネの姿にお釈迦様は心
打たれ狐を人間の女の姿に変えた。狐はたいそう喜んだ。すぐにその若
者の家へ訪ねた。夜道に迷ったと狐が言うと、若者はやはり親切に家と
迎え入れた。若者は狐とも知らずに美しい女だと心奪わる一方で、狐が身
の回りの仕事を根気よく手伝ってくれることが大変気に入っていた。そして
いつしか若者は狐と結婚し、子供まで生んだ。ある日人間の姿になった狐
がいつものように風呂焚きをしていると一匹の野良犬が狐をにらみつけて
いる。昔から狐と犬は仲がよくはない。野良犬は人間の姿になっても狐の
匂いが分かるのか耳鳴りするほどの大きな声で吼え、襲い掛かろうとした。
慌てて逃げようとしたためつい本来の狐の姿に戻り忍者のように屋根の上
と登っていた。だが野良犬の声に駆けつけた夫にその姿を見られてしま
った。夫は驚いた。狐はバレてしまったと落ち込んでいる。
「本当の姿を見られてしまったのなら仕方ありません。もうここには入られま
せん。どうか子供をよろしくお願いします。」夫に制止もさせる暇もないまま
狐は森の中へと隠れていった。
また自然に戻り野良として生きることになったがやはり未練は断ち切れず、
食べ物はのどに通らず次第にやせ細って飢え死にしようとしていた。
それを蓮の上で眺めていたあのお釈迦様は心苦しく思ったのである日、
その狐に会うことにした。お釈迦様は狐に神社の守り神になるように頼んだ。
神社の守護神になればいつでもあらゆる場所から好きなときに夫も子供も
見守ることができると言われた。狐はこれを聞いて喜んで引き受けた。だだ
し夫や子供が参拝に来ても決して姿を見せてはならないという約束の下に。
お釈迦様が言うように神社の守護になってからは夫や子供のことだけではな
くあらゆる困難や苦悩を持っている人々の姿を眺めることができた。当然神様
になったのでそのような人の願いも叶えなくてはならない。狐は熱心に皆の
願い事を叶えられるだけ叶え続けた。おかげで参拝客も増え村は活気がでて
きた。
そんなあるときある男とその子供がその神社に参拝に来た。狐はその顔に
よく見覚えがあった。それは自分の旦那と息子である。彼らはここの神社の評
判を聞きつけ、ある願いを叶えてもらおうと思ったもである。そのある願いとは
蒸発した妻、つまり自分に会いたいというものであった。すぐにでも姿を見せて
会いたかったがお釈迦様のいいつけがあるので出て行くことができなかった。
しかし彼らはその日以来何度もお参りにくるようになった。雨の日も風の日も
雪の日も。毎日欠かすことなく。そしてお参りに来て百日目の日のことであ
る。彼らがいつものように手を合わせ参拝しているとついに狐は我慢できず
彼らの前に以前の人間の姿で現れてしまった。旦那と息子は腰を抜かし驚
いた。狐は嬉しそうな顔で「おかえり」と言った。その声に旦那は最初は驚い
たが自分の妻だと分かりたいそう喜んだ。しかし喜びもつかの間、それを見
ていたお釈迦様は大層悲しげな顔をなさっていた。そして約束を反故にする
わけにはいかず狐を近くにあった御朱印帳に閉じ込めたのである。
お釈迦様は言った。
「その朱印帳から抜け出すには外からの力がいる。しばらくそこで時を待つ
がよい。時が来れば時期開放されるであろう。」
と言い残した。
そして悲しく思った旦那はその朱印帳を子供と一緒に泣きながら抱きかか
えた。せめてその朱印帳を大切に保管してもらうように神主に頼み、今日
までこの神社で奉納していたという。


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