2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

静まれ!俺の右腕 4話

「とにかく余計なことを考えないことね」



「へいへい」



確かに俺が何もしなければ向こうは勝手に



話したり動いたりする。



多少不審な目でみられることはあるものの



なんとか普通の女の子と会話成立させている。



どうやら向こうの体にも記憶が残っているらしく



それを元に俺の右腕がさやかになりきっているみたいだ。



「ところで昨日のTVのNステみた?○○君の歌かっこよかったよね~」



「ああ、まぁね!でも△△さんの方が渋くて歌もうまくてかっこいいよ」



「え?さやかちゃん?あれ演歌歌手だよ?さやかちゃん演歌なんて好きだっけ?」



「うん、演歌って奥深くていいよね、



あのこぶしに利かせ方はあの人にしかできないよ」



「そ、そうなんだ」



というようになんとかやっているようだ。



「なんとかなってないじゃない!」



いいながら俺は俺の頬をつねる。



「痛いって。なんとかそれっぽく会話してるじゃなぇか」



「私のイメージダダ崩れじゃないの」



「いやお前のイメージとか知らんから」



そう、正直こいつのことなんかほんとに知らない。



興味があるのは2次元と今こいつの体としゃべっている翠のことしか興味がない。



「(ほんと翠ちゃんかわいいな...ていうかおっぱいでけぇ~)」



「ほんと翠ちゃんかわいいな!ていうかおっぱいでけぇ~!!」



「ちょ、ちょっと!?さやかちゃん急に何言いだすの?」



やばい、つい俺のピンク色の妄想がもれてしまった。



俺の思考をそのままにさやかの口にしゃべらせてしまったのだ。



そして案の定顔面を殴られた。



「バカぁ!何やってるのよ!早く謝らせなさい!!」



「わかった!わかったから!!」



このままでは俺の顔面がもたない。



俺は謝罪の言葉を絞り出した。



「(ごめん!じゃなくてごめんなさい!ついというか、うっかりというか)」



「ごめん!じゃなくてごめんなさい!ついというか、うっかりというか」



俺の言葉をコピー&ペーストするようにそのまましゃべりだす。



「え?うっかり?」



「(うっかりっていってもあれだ!あれだよ!



さやかは...じゃなくて俺...じゃなくて私って胸が小さいからさぁその



うらやましいなぁと...hahaha)」



「うっかりっていってもあれだ!あれだよ!



さやかは...じゃなくて俺...じゃなくて私って胸が小さいからさぁその



うらやましいなぁと...hahaha」



アメリカンジョークっぽく笑ってごまかそうとしてみたがなんともぎこちない。



「そ、そうなんだ。」



「悪かったわね、胸が小さくて」



右腕というものに当然表情はないがなぜか



そこには言い知れぬ殺気が纏っているのが分かった。



そして有無も言わさず俺の腹に自分の右腕がめりこむ。



「(ぐほっ)」



「ぐほっ!!」



さやかの顔は痛そうな顔をする。



「ど、どうしたのさやかちゃん!?」



痛みまでリンクしてしまったようだ。



「(大丈夫だから...)」



「大丈夫だから...」



なんとか取り繕うと必死に言葉を紡ぎだした。



「なんか今日のさやかちゃんおかしいよ?あっ?もうすぐ時間だ!



さやかちゃん何かあったら言ってね。相談に乗るから」



天使のような笑顔で言いながら翠は自分の席へと戻っていた。



「やっぱり翠は優しくていい子だな...」



「キモっ」



俺は右腕さやかに言われたように顔をニタニタさせていた。



するとさやかの体の方の表情も緩んでいた。



ただ女の顔のせいか向こうの方がほんわかした表情をしている。



なんとも男女の損得を見た気分だった。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール
リンクフリーです。
相互リンクも大歓迎。
私と連絡を取りたい時は
下のメールフォームから
お願いします。

名前 :きばみん
性別 : ♂
血液型 : A型
誕生日 : 1987年3月27日
FC2ブログへようこそ!

きばみん

リンク
リンクフリーです。相互リンクは随時募集中!!

TSF関連サイト


FCサイト(TS以外)
カテゴリ
QRコード
QRコード
広告
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
Amazonアソシエイトについて
【Amazonアソシエイトに参加しています。】
当サイトは、amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによって、サイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。