それからシラサキとアカモリはよく学校で話したり、
お昼に一緒にご飯食べたりするようになりました。
女の子のことでわからないことがあったりしたときもシラサキに相談していました。
そして気づけば二人は付き合い始めていました。
告白したのは意外にもシラサキ方からでした。
ここずっと一緒にいてアカモリのことを女の子としてみるようになり守ってあげたいと話したとか。
正直元男であるアカモリにとっては複雑ではありました。
とはいえシラサキの告白を無駄にしたくなかったし、
なによりシラサキのことを好きだったアカモリにとって断る理由などありませんでした。
二人はあの日から良く幸せな日々を送っていたのです。
しかし心残りもありました。
それはアオキのことです。
シラサキと話すようになってから代償のようにアオキと話さなくなりました。
厳密には話そうとしても逃げられるのです。
実はあの事件以来どうやら誰かにあの現場をみられたらしくよくない噂が流れました。
アオキがアカモリをレイプしたとかなんだとか。
たしかに押し倒されたりしたがきっとあれは本気ではないと
アカモリは信じていたのでアオキのことがそのことで落ち込んでいないか心配していたのです。
とはいえ当の本人とは話ができず手詰まりのまま数日がたってしました。
そんなある日の朝礼。
「え~今から大事なお話があります」
担任の先生が重い口を開けるように話始めました。
「実はこのクラスのアオキが今日から転校することになりました」
アカモリは耳を疑いました。
なぜ急に?
教室もざわめきだします。
「親の都合で転校になることが数日前から決まっていたんだが、
本人の希望でクラスのみんなには黙っておいてほしいといわれたんだ」
なぜ父親の都合で?
彼は一人暮らしのはずなのに。
もしかして噂になったことでも気にしたのでしょうか?
それにしても自分にだけにでも言ってくれてもいいのに思うアカモリ。
その日一日教室はアカモリの噂でもちきりになりました。
「やっぱあの噂ほんとうだったんじゃね?」
違う!アオキ君がそんなことするわけない!
「かもな、だから俺たちから逃げるために転校したのかも」
そんな逃げたなんて嘘だ!
「とにかくよかったよなこれで変態アオキもいなくなったし」
「よくないよ!!!!」
アカモリ心でつぶやいていたことが声で叫んでしまいました。
その声にみんなが注目します。
「・・・ごめんなさい、なんでもないです」
アカモリはずっとその日肩身の狭い思いで授業を受けていました。
そして授業が終わりホームルームが終わると逃げ出すように家に帰るために教室をでました。
途中廊下でシラサキとすれ違いました。
「あっ、アカモリ君!一緒に帰・・・?」
しかしそれに気付かずシラサキの前を通り過ぎるアカモリ。
通過電車のようにさっていったので面を食らってしまし去りゆく姿を見守ることしかできませんでした。
家に帰り部屋に閉じこもりスマホでチャットしていました。
すると長い文面メールが来ていました。
宛名はアオキからでした。
アカモリは驚いてすぐに内容を確認しました。
そしてすぐに返事を返します。
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突然、転校になってなにも伝えることができずごめんな
無理やりシラサキとくっつけようとしたことと俺がお前を襲ったことをまず謝るよ
ごめん
でも後悔はしてないんだ
現にいまこうしてシラサキと仲良くやってるみたいだし
計算通りだろ!!
まさか俺が本気でお前を襲ったとか思ってないよな
冗談きついぜ
俺が親友を襲うわけないだろ(`・ω・´)
あと俺が転校するのはおまえのせいじゃないから
親が転勤するのは本当でこの機会に一緒に住もうと思って
ただ黙っておいたのはわるかったけど
とにかくいいたいのはそれだけ
あと俺のアカウントは消しとけよ
シラサキとかにばれたらやばいから
じゃあなノシ
消すわけないじゃないすか!
なんで転校するんだよ!!
――――――――――――
しかし返事は帰ってきませんでした。
アカモリはその場で泣き崩れました。
その手紙見てからまた何か月か経ちました。
まだシラサキとは付き合っていました。
すでに肉体の関係をもつまでになりました。
そしていつもセックスするときは決まって白のブラをつけることにしていました。
くだらないとも言えなくもない犠牲を払ったバカな親友を思い出すために。