「事情はだいたい飲み込めたわ」
アオキは母親に事の成り行きを説明しました。
最初は信じてもらえなかったがアカモリが飲んだ薬が相手を異性化させるというニュースを
ワイドショーなどでみたことがあったので自分の息子が女の子になったことを信じたようです。
ちなみに飲んだのはネットで精力剤と間違えて購入して飲んでしまったということにした。
「でもまさかあんなに鬼みたいな形相する子こんな美人さんになちゃって」
「ふぇ、なんで喜んでるですかぁ~」
アカモリはまだ泣き止んだばかりで顔が赤くまだ目に水たまりを残していました。
アオキ:「(かっかわいい)」←心の声
母親:「かっかわいい」
「そんなことよりどうするんですか?これ」
「大丈夫よ!お母さんが学校側にちゃんと説明してあげる」
「え?」
「それより買い物よ」
「なんですか?」
突然の提案に驚くアカモリ。
「当たり前でしょ、そんなみっともない格好じゃいけないでしょ」
「えええ、もしかして女物の服と買うんですか?」
「そうよ」
「おばさんグッジョブです!!」
「アオキまで!?」
「文句言わない」
いつもならアカモリがどすの利いた声で一言「いかないです」といえばすぐにふたりとも空気を読むようにして
引き下がってくれました。
しかし今回はどうやら女の子になったことで相対的に二人の地位が平民から貴族にランクアップしたようです。
ですがもっと災難なことに元から貴族というか、我が家の女王様的存在がやってきました。
「なになに?買い物いくの?私も行く!」
「お、お姉ちゃん?いつからいたの?」
「あんたが薬飲むところからだけど」
「なんでそんな前から!?」
「いやだってあんた気づかないし」
実はアオキに薬を渡したのはこの姉であることはあとから判明します。
「ちょうどいいわ、お姉ちゃん!この子買い物に連れってあげて」
「了解!ほらいくよ」
話しの濁流に見事押し流されるアカモリ。
強制連行という形でショッピングモールに連れて行かれました。