俺の名前は平串 末吉。(ひらぐし すえよし)
アイドルのスカウト兼、プロデュサーだ。
実は他にもう一つ職業みたいなものがあるのだが
それはのちほどすぐわかる。
それはのちほどすぐわかる。
とにかくスーパーアイドルの素質を持った金の卵を探すべく今日も大そうなギターケースをバック代わりに
肩に背負い日夜街を出歩いているわけだが・・・。
「あんま外には今日はいいやついねぇな・・・」
こいう時はカラオケボックスにはいって歌の上手い奴を探すというのも手だ。
もしかしたら将来有望なアイドル歌手がいるかもしれない。
そいうわけで近くのカラオケボックスにはいり適当に時間つぶしも兼ねて部屋へ入った。
「よ~し歌うぞ!!まずは“宇宙戦隊ヤマタイコクマン”からだ!!」
決して歌ってストレス発散するのが目的ではないから勘違いはしてはいけない。
「う~ちゅう~♪うちゅ~う♪守るためぇ♪正義のひ~い~ろ~♪ヤマタイコク~~~マン♪♪」
もう一度言っておくがこの歌が好きだから歌っているわけではない。
本当だ。
ちゃんと目的がある。
ほら早速隣の部屋から歌声が・・・。
僕らは・・・ららら♪・・・・ららら♪
なかなかの美声だ。
男の声だ。
しかも優しい声で癒される。
音程もちゃんととれている。
・・・
そうこうやって歌っているフリをして隣の人の歌声を聴いていたのだ。
「ふむふむ・・・いいね・・・だがしかし」
それはサビの部分だった。
おねがぃィィィィ~~~↓・・・・♪
どうも高音の部分の声が裏返ってしまうようだ。
だがこの綺麗な音程と優しい歌声と素晴らしいものがある。
「よし!突撃だ!」
俺はノリと勢いだけで彼のいる隣の部屋へと向かう。