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リコーダー 前半

誰もいない放課後の教室。



好きな子の机。



その机の横にぶら下がるカバーに入ったリコーダー。

誰にも言われていないのに僕の“やりたいこと”が明確に認識される。



僕の感情は抑えられない。

あれは彼女の所有物。

好きな子の所有物。



まずはその彼女の席に思い切って座ってみる。



これは彼女の席。

好きな子の席。



座るだけでもドキドキする。



しかしそれだけでは満足できない。



新たな欲望というより本来の目的が芽生える。



目についたのは当然横にぶらさがるリコーダー。



僕は誰かにバレるのではないかと周囲を警戒しながらドキドキしながらもぶらさがるそれを手に取ってしまう。



これは彼女の所有物。

好きな子の所有物。




ダメだと分かっていても抑えられない感情。



ドキドキは続いていく。



カバーを外し、リコーダーを抜き取る。



綺麗なリコーダー。



おそらく定期的に拭いたりして汚れをとっているのだろう。



しかし息を吹き込む唄口を覗くとうっすらと透明な膜が細長く穴を塞いでいた。



それはちょっと振動ですぐにはじけた。



そう、まだ残っていた。



彼女の唾液が・・・そこに。



高まる鼓動が止まらない。



ドキドキは背徳感から大きな好奇心へと変わってゆく。



これは彼女の所有物。

好きな子の所有物。

でも今は僕の所有物。



だから僕が吹いてもいいのだ。



僕は口を小さくあけ、少しベロをだすとゆっくりと唄口にそれを近づけた。



唄口には間違いなくそれが残っている。



リコーダーが震えている。



いや、僕の手が震えている。



おかげでうまく口に入らない。



僕はもどかしくなり口をもっと大きくあけた。



そして、カプリッ。




ふゅう~ぴゅうるる。




自分の息が少し入ってしまったせいで間抜けな音がでてしまう。



その音で一瞬我に返る。



僕は慌てて口からリコーダーを離した。



かすかに口になかに唾液が溜まっている。



その中にはおそらく彼女の唾液も混じっている。



一度覚めた気持ちがまた熱くなる。


もう一度吹きたい。



今度はちゃんと吹きたい。



また口に咥えた。



今度は最初ほど抵抗なく、咥えた。



僕は手近で簡単な“キラキラ星”を吹くことにした。



穴を押さえ鼻と口で息を吸い吹いた。



音が出た。



僕の息を通して彼女のリコーダーから音が出た。



なんだか不思議と嬉しくなる。



僕は演奏を続けた。



嬉しさは高まりそれは純粋な気持ちになる。



これは彼女の所有物。

好きな子の所有物。

でも今は僕の所有物。




そして今は僕が吹いている。



嬉しくなり次第に吹く息に力が増す。




もちろん音も大きくなる。



演奏は鳴り響く。どこまでかというと・・・。



教室の扉が突然強く開いた。



「おい、まだ教室に誰かいたのか!早く帰れ。」



そう、それは廊下にいた一番気をつけなくてはならないはずの担任の先生まで鳴り響いていた。



終わった。



「お前、リコーダーの練習なら家でやれ。うん、なんでお前、あいつの机に座って練習してるんだ?」



「いや、これは」



口がごもる。



いつも以上にごもる。




よりよってセクハラ教師で名高い担任にみつかるなんて



「そのリコーダー・・・お前もしかして・・・」



僕をじっとりと覗き込む。



僕はこの先生の目が嫌いだ。



僕を見る先生の目は人を疑う目。



いやもう見透かされているのだろう。



だから僕を見る先生の目は人を見下す目だ。



そしてその目やがてにやりと笑みを浮かべ始める。



いやらしい目。



この担任教師がクラスでも嫌われているのがよくわかる。



「ち、違うんです、これはその僕のリコーダーでその・・・」



思わず嘘がでる。



「ふーん、お前のリコーダーねぇ・・・」



まだいやらしい笑みをしている。



もう見抜かれている。



嘘が通じてないようだ。



どうしたらいいのか、もう謝ってしまべきなのか。



いや、待て、あの顔が許してくれるのか?



そんなはずはない。



でもどうすればいい。



どちらにせよ、このままでは僕の人生が終わる。



しかも好きな女の子のリコーダー舐めた変態のレッテルを貼られて。



このリコーダーが僕の物だったらいいのに。



これは彼女の所有物。

でも今は所有物。

僕の所有物。



「お前は独占欲が強いんだな。」



先生が不意に笑いながら言った。



一瞬、僕の心を見透かされたかと思いピクリとした。



「いいだろう、すこしいじって“正当化”させてやろう。」



えっ?



先生のその言葉を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になる。

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