キバゴンは手を叩きながら喜んでいた。
イエロー「なんだかこの触手ヌルヌルしてますわ」
ブルー「こんな気持ち悪いもの縛りつけるなんて」
キバゴン「特別にヌルヌル仕様にしてみたゴン!おとなしく二人一緒になってヌルヌルプレイを堪能するといいゴン!」
キバゴンは二人が嫌がる姿を面白そうに眺めていた。
しかしそのときキバゴンの背中を何かが刺さった。
キバゴン「いっ痛たたたぁぁぁ!」
キバゴンが飛び跳ねながら背中を押え、後ろを見るとそこにはナイフを構え持ったブラックが立っていた。
ブラック「(俺のことをすっかり忘れていただろ!)」
キバゴン「こっちを何とかしたと思ったらこっちで邪魔されて・・・ああもうめんどくさいゴン!」
キバゴンは痛さのあまり混乱していた。
ブラック「(お前のお腹の“それ”を破壊させてもらう!)」
ブラックはナイフの先をキバゴンにめがけて突き刺そうとした。
キバゴン「もう怒ったゴン!」
キバゴンは右手を突き出すと掌から蜘蛛の糸のようなものが出てきた。
ぷしゅ~~~~
ブラックはナイフを突き出す直前にその蜘蛛の糸に絡まり捕まってしまった。
ブラック「(なんだ!?これは?)」
キバゴン「コンドム様とピール様に装備させてもらった蜘蛛の糸攻撃だゴン♪」
ブラック「(なに!?)」
キバゴンは得意げになって喜んでいた。
キバゴン「これでお前も“女”にしてやるゴン!」
キバゴンはゆっくりわざと足音をたてるようにしてブラックに近づいた。
ブラック「(やっやめろ!)」
ブラックは必死に絡まった糸をほどこうとするが糸はなかなか解けなかった。
そうしてるうちにキバゴンはそのまま黙って口から煙を吐いた。
しゅ~~~~~
ブラック「(うわぁぁぁ!!)」
レッド「ブラックぅ!」
ピンク「そんなぁ・・・ブラックまで」
戦いながらもブラックのことを気にしていたレッドとピンクであったが
そんなこともむなしくブラックの体が見えなくなるほど煙は吹きかけられた。
コンドム「でかしたぞ!キバゴン!」
キバゴン「それほどでもないでゴン♪」
キバゴンは煙を吹きかけ終わると調子よく喜んで見せた。
そしてほんのちょっとしてから煙が晴れてきた。
煙の中からは女の子座りをした少女がでてきた。
少女の髪は小さくツインテールになっていた。
服もなぜかヒラヒラしたワンピースでなぜか色が黒い。
俗に言うゴスロリ衣装になっていた。
ブラック「これがボク?」
小さくなった両の手のひらを見ながらきょとんとしながらつぶやいた。
レッド「ブラックぅ!!」
レッドは剣でコンドム振り払った。
コンドム「うぅ!」
わずかにコンドムが後ろによろめいた隙を狙ってブラックの元に駆け寄った。
レッド「ブラック!大丈夫か?怪我はないか!」
ブラックはレッドに声をかけらて安心したのか無表情だった顔を緩ませて答えた。
ブラック「うん!ボクなら大丈夫だよ」
レッド「そうか!・・・というか、しゃべれるようになったんだな」
ブラックは言われてはじめて気づいたみたいで少し驚いた表情をみせた。
ブラック「ほんとだ!ボクしゃべれるよ!」
今度は嬉しそうな表情をみせた。
普段あまり表情に変化をみせない分不思議な感じがした。
レッド「立てるか?」
レッドが手を差し出すとブラックはその手を握り立ち上がろうとした。
しかしその後ろでピンクの悲鳴が聞こえた。
ピンク「きゃぁぁぁ!」
ピンクはコンドムとピールに同時に攻撃を仕掛けられていたのだ。
レッド「しまった!」
レッドはブラックを無理やり引き離すようにする手をほどいた。
ブラック「あっ・・・」
そしてすぐに振り返りピンクの元に駆け寄ろうとする。
しかしレッドの片方の腕がぎゅっとつかまれた。
ブラック「いかないで・・・」
その顔はとても悲しげな表情だった。
レッド「ブラック・・・何をいってるんだ?」
レッドはなぜとめられたのかわからなかった。
ブラック「こんなところに一人になったら・・・ボク・・・」
レッド「・・・変身できなくなってお前が危険なのは分かる、だが今はピンクを助けなくては!」
しかしブラックはレッドの腕をはなそうとしない。
レッド「ブラック・・・」
ため息まじりにつぶやくレッド。
ブラック「・・・分かってるよ・・・頭では状況は分かってるけどでもなんかどうしようもなくすごく不安
なんだ!もうどうしたっらいいかわからないんだよ!!」
俯いていた顔をあげたと思うと、急にヒステリックに叫んだ。
それは腕を掴む強さの変化からも伝わる。
ブラック「ごめん・・・」
今度は急にぼそっと謝りだしたが、
まだ腕を放そうとしなかった。
レッド「ブラックお前・・・」
レッドは稀にみないブラックの感情の変化に戸惑った。
たまにピンクが“女の子の日”のときの態度とよく似ている。
そのときレッドはようやく気づいた。
ブラックもキバゴンの煙を浴びて性格まで変えられてしまったことを。